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公務員を辞めてIT未経験でSESエンジニアに転職した話【30代・年収100万円ダウンの現実】

目次

「公務員なんて辞めてどうするの?」

転職を決めたとき、そう思われるだろうと覚悟していました。安定した仕事、社会的な信頼、充実した福利厚生。傍から見れば、手放す理由が見当たらない。

でも私には、辞める理由が3つありました。

この記事では、30代半ばで県職員からIT未経験のSESエンジニアに転職した経緯と、転職活動の全記録を書きます。年収は100万円以上下がりました。それでも後悔はありません——その理由も含めて、正直にお伝えします。


なぜ公務員を辞めたか:3つの理由

理由① 子どもの成長を、そばで見たかった

第1子が生まれたとき、「単身赴任」という言葉が頭に浮かびました。

県職員は、県内全域が転勤の対象です。3〜4年ごとに異動があり、引越しを伴うケースも少なくありません。子どもが小学校に入ったら転校させるか。それとも自分が単身赴任するか。そういう選択を、何度も繰り返すことになる。

子どもが生まれた直後に、その未来をリアルに想像しました。子どもの成長を近くで見られない可能性が高い職場に、このままいていいのか。

答えは、「いたくない」でした。

理由② 「辞める人が増え、入る人が減る」未来が見えていた

職場では、若手の退職が増えていると感じていました。これは私の感覚だけではなく、データにも表れています。

地方公務員採用試験の受験者数は、平成25年度の583,541人から令和5年度には399,199人まで、約32%減少しています。過去30年で最低水準です。さらに、若手自治体職員を対象にした2024年の調査では、入庁後3年以内に離職する職員が約40% にのぼるというデータもあります(山梨総合研究所・2024年)。

辞める人が増え、採用応募は減る。一方で仕事の量は変わらない。ワークライフバランスの推奨で残業は規制されるが、業務の総量は減らない。結果として、残った人間一人ひとりの負荷が上がっていく。

その構図が、当時の職場でも見えていました。この先10年、20年同じ環境にいることへの漠然とした不安が、背中を押しました。

理由③ ITをやってみたかった、それだけ

最後の理由は、シンプルです。

IT業界に興味があった。やってみたかった。それだけです。

他の業界は検討しませんでした。深い分析があったわけでも、綿密なキャリア設計があったわけでもありません。「ITをやってみたい」という直感が、ずっとありました。子どもが生まれたことで、「いつかやろう」が「今やらないと」に変わった。それが転職の原点です。


なぜSES企業を選んだか

IT転職を考えたとき、選択肢はいくつかありました。自社開発、受託開発、SES——。

30代半ばという年齢で、実務経験はゼロ。自社開発や受託開発の企業に応募するためには、ポートフォリオや何らかの実績が必要になりそうでした。ゼロから準備して挑むには、時間がかかりすぎる。

「さっさとSESに入って、現場で経験を積む」——30代半ばという現実から出た判断です。

SESなら、未経験からでも入社してから経験を積める。まず業界に入ることを優先しました。


転職活動の全記録

2024年6月:エージェント登録と絞り込み

2024年6月、転職を決意して複数の転職エージェントに登録しました。

各エージェントとやり取りを重ねる中で、最終的にdoda一本に絞りました。他のエージェントが劣っていたわけではありません。当時、大手SES企業での未経験向け求人の取り扱いが多かったのがdodaでした。未経験・30代半ばという条件で選べる求人数を考えると、doda一本に集中するのが合理的でした。

書類提出〜内定:想定外に書類が通った

エージェントから最初にこう言われました。

「年齢と未経験という経歴では、書類通過率が高くない。20社程度に応募することをおすすめします」

覚悟はしていました。でも結果は、想定を上回りました。

思ったより書類が通った。それは良かったのですが、想定外の問題が起きました。終業後の面接スケジュールが、かなりきつかった。

仕事が終わってから面接。複数社が同時進行する。スケジュール調整だけで疲弊しそうになる時期がありました。

2024年7月初旬:内定・決断

現在の会社から内定をもらった時点で、以降の面接が進んでいた他社を辞退しました。

決め手は案件の幅と会社の規模感が自分の条件に合っていたことです。加えて、資格取得時の報奨金制度の金額が大きかったことも決め手の一つでした。 年収が下がる分、資格取得で収入の足しにできるという計算もありました。

そして決め手の3つ目が、見込み残業代(固定残業代)の制度がない会社だったことです。

固定残業代制は、月30〜45時間分の残業代をあらかじめ給与に含める仕組みです。金銭的に損をするわけではありません。ただ、この制度には雇用主側に「すでに支払った分の残業はさせて元を取りたい」という心理が働きやすいという構造的な問題があります。結果として、長時間労働が暗黙の前提となり、定時で帰ることが「みんなと違う行動」になりやすい。

私が転職した一番の理由は、子どもの成長をそばで見ることでした。固定残業代制の会社では、定時で帰る心理的ハードルが上がります。子育てを最優先したい人間にとって、その空気は構造的に合いません。

加えて、転職後は子どもが寝てからの1〜2時間を資格取得の学習に充てる計画でした。残業が前提の文化では、その時間が確保できません。「定時退社が普通の選択肢として尊重される会社か」——これが3つ目の判断軸でした。

エージェントの担当者とのやり取りの中で、これらの判断軸を整理し、現在の会社に絞り込みました。

2024年9月末:退職

内定から約2ヶ月後に退職しました。在職中の転職活動だったため、引き継ぎ期間を含めてこのスケジュールになりました。

2024年10月:入社

30代半ば、IT経験ゼロ。ここからエンジニアとしてのキャリアが始まりました。


転職後の現実

年収は100万円以上ダウンした

正直に書きます。年収は100万円以上下がりました。

これは転職前からわかっていた現実です。未経験でIT業界に入る以上、最初は下がる。それを受け入れた上で転職を決めました。家族との相談も、もちろんありました(後述します)。

年収ダウンは、スタート地点に過ぎない

年収が下がってからどうするか——これが本当の問いです。

資格取得・現場での行動・社内評価の積み上げを通じて、給与アップを狙っていきます。転職直後の年収はあくまでスタート地点。初年度から資格報奨金を積み上げながら、少しずつ回収していく戦略です。転職後約1年半で13資格を取得したのも、この流れの一環です。

子育てしながら転職後約1年半で13資格を取得したロードマップ

それでも後悔はない

年収は下がった。でも後悔はありません。

転職後、単身赴任の心配をすることなく子どもと同じ場所にいられています。仕事では、新しい知識を吸収し続ける毎日があります。開発案件でサブリーダーも経験しました。年収という数字だけでは測れない部分で、確実に変わったことがあります。


やればよかったこと:妻への報告は最初にすべきだった

転職活動で一番後悔していることを書きます。

妻への報告が遅れました。

ある程度面接が進んでから、妻に転職活動をしていることを話しました。結果、妻に怒られました。当然です。

家族に関わる大きな決断を、事後報告に近い形で伝えた。年収が大きく変わる転職です。子どももいる。もし最初にきちんと話し合っていれば、転職活動全体がもっとスムーズだったはずです。

転職を考えているなら、最初の一歩は家族との対話からです。これは声を大にして伝えたいことです。


まとめ

項目内容
転職前の職業県職員
転職後の職業SESエンジニア(未経験)
転職理由単身赴任リスク・職場環境の将来不安・ITへの興味
利用エージェントdoda(最終的に1本化)
書類提出数15〜16社
書類通過数10社超
内定数5〜6社
転職活動期間約1ヶ月(2024年6月〜7月)
年収変化100万円以上ダウン
転職後資格取得・サブリーダー経験・給与アップを目指す

IT転職を考えているあなたへ

公務員からIT転職は、周囲からは「なぜ安定を捨てるのか」と見られます。でも自分の人生で何を優先するかを決めるのは、自分です。

私が伝えたいのは3つだけです。

1. 年収ダウンは覚悟してください。 未経験転職では避けられない現実です。それを受け入れた上で決断するかどうか。年収はスタート地点に過ぎません。その後どう積み上げるかが本質です。

2. 家族には最初に話してください。 これは失敗から学んだことです。転職は一人でするものではありません。

3. さっさと動いてください。 30代半ばで「準備が整ってから」を待っていたら、永遠に動けません。現在の職場で働きながら転職活動をするのみならリスクはありません。そもそも内定をもらえるか、市場価値がどの程度なのか、転職活動をしてみないとわかりません。実際に転職するかどうかなんて、納得できる内定先がもらえてから考えても遅くはありません。一度きりの人生、悩んでいるならとりあえず行動してみるのもありです。

転職前の勉強として私が使ったUdemy講座はこちらにまとめています。

IT転職前にエンジニアの友人に薦められて受けたUdemy7講座


よくある質問(FAQ)

Q1. 30代半ば・未経験でもIT転職できますか?

できます。私がその証拠です。ただし、正直に言うと「簡単ではない」とも言います。書類通過率は年齢と未経験という条件により下がります。エージェントから20社応募を勧められた通り、覚悟と準備が必要です。SES企業であれば未経験採用の間口は広いですが、年収ダウンは前提として考えておくべきです。

Q2. 公務員からIT転職で年収はどのくらい変わりますか?

私の場合は100万円以上ダウンしました。IT業界の未経験転職では、前職の年収に関わらず最初は下がることが多いです。ただし経験を積み資格を取得していけば、回復・超過していく可能性はあります。最初の数年は投資期間と割り切る姿勢が必要です。資格報奨金制度がある会社であれば、取得のたびに収入の足しにもなります。

Q3. 転職エージェントはどこを使えばいいですか?

私はdodaを使いました。当時、大手SES企業の未経験向け求人の取り扱いが多かったからです。転職エージェントは複数登録して比較した上で、自分の条件に合う求人を多く持っているエージェントに集中するのが効率的です。

Q4. 公務員からIT転職して後悔しませんか?

私は後悔していません。年収は下がりましたが、転職の動機だった「子どもの成長をそばで見る」という目標は達成できています。転職後1年半で13資格を取得し、サブリーダーも経験しました。後悔するかどうかは「何のために転職するか」が明確かどうかにかかっています。目的が明確であれば、多少の条件ダウンは受け入れられます。

Q5. SESに入って正解でしたか?

条件付きで正解でした。30代半ば・未経験という条件で「まず現場に入る」という目的は達成できました。一方でSESは客先常駐のため、会社の先輩と話す機会が少なく、孤独に感じる場面もあります。それを補うために資格取得で自力をつけることが重要だと、入社後に実感しました。

Q6. IT転職前に何か準備しておくべきことはありますか?

私はUdemy講座で基礎知識を入れてから転職活動を始めました。プログラミングの基礎とAWSの概要を押さえていたことで、面接での技術的な質問にある程度対応できました。ゼロ知識で面接に臨むより、1〜2ヶ月の事前学習があると格段に印象が変わります。使った講座はこちらにまとめています。

IT転職前にエンジニアの友人に薦められて受けたUdemy7講座

Q7. 転職活動中、家族の理解はどうやって得ましたか?

正直に言うと、最初の対話が遅れて妻に怒られました。これが一番の失敗です。年収が大きく変わる転職は、家族全員に関わる決断です。「決めてから報告」ではなく「考え始めた段階から相談」が正解です。特に子どもがいる場合、生活費・保育費・将来の教育費まで含めた数字で話し合っておくことをおすすめします。


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