「未経験でSESに入るけど、資格って結局いつ・どの順番で取ればいいの?」
これは、私が転職直前にいちばん知りたかったことです。「何の資格を取るべきか」の情報は見つかっても、「いつ取るべきか」というタイミングの話は、意外と情報がありませんでした。
私は30代半ばで未経験からSES企業に転職し、育児と両立しながら約1年半で13資格を取得しました。この記事では、その過程で見えてきた「フェーズごとに何をすべきか」を、時系列のロードマップとして整理します。「どの資格を選ぶか」ではなく「いつ、どのくらいのペースで動くか」に焦点を当てた記事です。
結論:資格取得は4つのフェーズで考える
先に全体像です。私の経験をもとに整理すると、未経験SESエンジニアの資格取得は次の4フェーズに分けられます。
| フェーズ | 時期 | やること | ペース感 |
|---|---|---|---|
| フェーズ0 | 内定〜入社前 | 資格の先取りは不要。基礎的な技術のキャッチアップはやっておく価値あり | - |
| フェーズ1 | 入社直後(スタンバイ期間) | 分野の入口資格に集中投資 | 最速・最も伸びる |
| フェーズ2 | 現場配属後1年目 | 現場と両立しながら次のレベルへ | 落ち着いたペース |
| フェーズ3 | 1年〜1年半以降 | 高度試験・専門性への投資 | 中長期の資産づくり |
私自身の実績で言うと、フェーズ1(約3.5ヶ月)だけで5資格を取得しています。逆にフェーズ2(約9ヶ月)は失敗も多く、じっくり型でした。フェーズごとに「量を追う時期」と「粘る時期」があることを知っておくと、ペース配分の見通しが立てやすくなります。
フェーズ0:内定〜入社前、資格の取得は不要(基礎技術のキャッチアップはやっておく)
まず、これは意外に思われるかもしれませんが——入社前に資格の先取りをする必要はありません。
理由は2つあります。
- 入社後にスタンバイ期間(後述)がある会社なら、そこで学習時間はまとまって確保できる。入社前に資格の勉強を前倒しでやっても、二度手間になりやすい
- 入社前は、それより優先すべきことがある。生活の立ち上げ、心身を休めること、家族との時間の調整など、慌ただしい時期です
ここで言っているのは、あくまで資格の先取り学習についてです。資格とは別に、基礎的な技術のキャッチアップはやっておく価値があると思っています。私自身、IT転職の前にUdemyの講座で基礎を固めました。
→ IT転職前にエンジニアの友人に薦められて受けたUdemy7講座【すべて完走した話】
「資格の勉強は入社後でいい。ただし基礎的な技術に触れておくことは、入社前でもやる価値がある」——この線引きが、フェーズ0の考え方です。
内定後の面談で、資格のことを聞いてみる
内定から入社までの間に面談の機会があれば、「入社前に取っておいたほうがいい資格はありますか」と採用担当に聞いてみるのもおすすめです。
私自身、この質問を採用担当にしたところ、「資格手当は入社後に合格した資格のみが対象なので、資格は入社後に取ったほうがいい」とアドバイスされました。制度は会社によって違いますが、入社前に頑張って取っても、報奨金の対象外になってしまうケースがあるということです。先取り学習をするかどうかは、こういった制度面も含めて事前に確認しておくと後悔がありません。
なお、内定後の面談では資格だけでなく配属先の実態(IT以外の現場に派遣される可能性はあるか等)を確認しておくのもおすすめです。会社選びの視点は「SESはやめとけ」は本当か?6つの理由を全部検証したの「地雷SESを避けるチェックリスト」にまとめています。
フェーズ1:入社直後のスタンバイ期間が最大の勝負どころ(3.5ヶ月で5資格取得した実例)
SES企業では、入社直後に客先が決まるまでのスタンバイ(待機)期間があることが多いです。ここが、資格取得における最大のチャンスです。
私の実例:3.5ヶ月で5資格
私はこの期間(2024年10月〜2025年1月)に、Java Bronze・AWS CLF・Java Silver・AWS SAAを含む5資格を取得しました。特にAWS SAAは、CLFで全体像を掴んだ直後だったこともあり、わずか5日で合格しています。
なぜこの時期にこれだけ伸びるのか。理由はシンプルです。
- 客先常駐前なので、日中の勤務時間もほぼ自己学習に充てられる
- 現場に入る前の「何もできない自分」への焦りが、学習のエネルギーになる
- 入社直後は生活リズムがまだ固まっておらず、朝型など新しい習慣を作りやすい
この時期にやるべきこと:分野を1つ選んで、集中する
フェーズ1でやるべきは、自分の進みたい分野の入口資格を1つ選び、そこに時間を全振りすることです。分野の選び方・具体的な資格の候補は、以下にまとめています。
→ IT未経験のSES転職で最初に取りたい資格3選【+番外編】
「全部の分野を少しずつ」ではなく「1分野を一気に」——これがフェーズ1の鉄則です。中途半端に手を広げるより、1つ合格して自信と勢いをつけたほうが、次につながります。
フェーズ2:現場配属後1年目は、査定を意識しながら次のレベルへ(AWS SAA→SAP等)
現場が決まると、学習に使える時間は一気に減ります。ここからがフェーズ2=「粘りの時期」です。
私の実績では、このフェーズ(約9ヶ月)で応用情報技術者に挑戦し、一方でAWS SAPに二度落ち、HTML5にも一度落ちました。フェーズ1のような爆発力はなく、失敗も増える時期というのが正直なところです。
この時期の考え方
- 時間は減って当然と割り切る。1日1〜2時間が現実的なペースです。詳しい時間の作り方は時間管理術の記事にまとめています
- 査定・資格報奨金のタイミングを意識する。私の会社では資格取得が査定に反映される仕組みがあり、査定サイクルに向けて取得時期を逆算することが計画のペースメーカーになりました。査定への反映の有無や度合いは会社によって異なるので、自社の制度を確認したうえで参考にしてください
- フェーズ1で選んだ分野の「次のレベル」に進む。例えばAWS CLFの次はSAA、Java Bronzeの次はSilver、というように、深さを1段上げる時期です
- 落ちても引きずらない。私自身、この時期に複数回不合格を経験しています。翌日に気持ちを切り替えて次に向かうほうが、精神的に楽でした
フェーズ3:1年〜1年半以降は、高度試験・専門性への投資(応用情報・データベーススペシャリスト等)
現場での仕事に慣れ、生活リズムも安定してくる頃——ここからは、より専門性の高い資格を見据える時期です。
私の場合、このフェーズ(約5ヶ月)でAWS SAPのリベンジ・HTML5の再挑戦を含む8資格を取得しました。フェーズ1の「量」、フェーズ2の「粘り」を経て、このフェーズは積み上げがものを言う段階です。
この時期に見据えたいもの
- IPAの高度試験(応用情報の先にある、データベーススペシャリスト・情報処理安全確保支援士など)。SI業界での評価軸として根強く残っています
- どの資格を、どの順で取るべきかを体系的に整理したい場合は、こちらのランキング記事も参考にしてください
→ IT資格13個の難易度ランキング【30代未経験エンジニアが全部受けた本音】
このフェーズまで来ると、資格取得は「未経験の遅れを取り戻す」ためではなく、「専門性を積み上げる」ための投資に性質が変わっていきます。
私自身の13資格・全体の歩みが気になる方へ
この記事はフェーズごとの「考え方」に絞って整理しました。実際にどんな失敗をして、どんな気持ちで13資格まで積み上げたのか——時系列の実体験そのものを読みたい方は、こちらに全部書いています。
→ 子育てしながら転職後約1年半で13資格を取得したロードマップ【30代未経験エンジニア】
まとめ:フェーズによって「やること」も「ペース」も変わる
- フェーズ0(入社前):資格の先取りは不要。基礎的な技術のキャッチアップはやっておく価値あり
- フェーズ1(スタンバイ期間):最大のチャンス。分野を1つ選んで集中投資(私は3.5ヶ月で5資格)
- フェーズ2(配属後1年目):両立しながら次のレベルへ。査定サイクルを意識し、失敗を引きずらない
- フェーズ3(1年〜1年半以降):高度試験・専門性への投資フェーズ
「今のフェーズで何をすべきか」が分かれば、闇雲に資格を追いかける必要はありません。自分が今どのフェーズにいるかを確認し、そのフェーズに合ったペースで動いてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 入社前に資格を先取りしておくべきですか?
資格については不要です。入社直後にスタンバイ期間がある会社なら、そこでまとまった学習時間が確保できるためです。ただし資格とは別に、基礎的な技術のキャッチアップは入社前にやっておく価値があると考えています。私自身、転職前にUdemyの講座で基礎を固めました。また、資格手当が「入社後に合格した資格のみ対象」という会社もあるため、内定後の面談などで採用担当に確認しておくと安心です。
Q2. スタンバイ期間には、どのくらいのペースで資格を取れますか?
私の場合、約3.5ヶ月でJava Bronze・AWS CLF・Java Silver・AWS SAAを含む5資格を取得しました。日中の勤務時間もほぼ自己学習に充てられたことが大きく、特にAWS SAAはCLF合格直後だったこともあり5日で合格しています。ただしこれは時間を確保しやすいスタンバイ期間特有のペースで、現場配属後は同じペースを維持するのは現実的ではありません。
Q3. 現場配属後は資格取得のペースを落とすべきですか?
落として当然です。現場での仕事に時間を取られるため、1日1〜2時間が現実的なペースになります。私自身、配属後のフェーズでは失敗も増えましたが、それは学習時間が減る中で難易度の高い資格に挑んでいたためで、自然なことだと捉えています。
Q4. 資格はどの順番で難易度を上げていくべきですか?
私は、まず分野の入口資格(AWS CLF・Java Bronze・ORACLE MASTER Bronzeなど)を1つ取り、その後同じ分野の次のレベル(SAA・Silverなど)に進み、生活が安定してから応用情報や高度試験のような専門性の高い資格に進むという順番を取りました。最初から難しい資格に挑むより、成功体験を積み重ねる順番のほうが継続しやすいです。
Q5. 資格取得のペースは査定にどう関係しますか?
私の会社では、資格取得が査定や資格報奨金に反映される仕組みがあります。査定のサイクルを把握し、そこに向けて取得時期を逆算することが、私にとってはモチベーションと計画のペースメーカーになりました。反映の有無・度合いは会社によって異なるので、まずは自社の制度を確認したうえで参考にしてください。
Q6. どのフェーズが一番大変でしたか?
私にとってはフェーズ2(配属後1年目)でした。フェーズ1のような時間の余裕がなくなった一方で、AWS SAPやHTML5のような難易度の高い試験に挑んで複数回落ちた時期だったためです。ただ、ここで粘ったことがフェーズ3での積み上げにつながったと感じています。
Q7. 内定後の面談では、何を確認しておくといいですか?
資格については「入社前に取っておいたほうがいい資格はありますか」と採用担当に聞いてみるのがおすすめです。私の場合、資格手当は入社後に合格した資格のみ対象と分かり、入社後に取得する方針にしました。また、配属先の実態(IT以外の現場に派遣される可能性はあるか等)を確認しておくのも安心です。会社選びの詳しいチェックリストはSESはやめとけは本当か検証した記事にまとめています。
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